TVMW6でNVENCを使ったH.265/HEVCエンコード比較

2017年7月29日 2017年7月29日 2件のコメント 自作パソコン , ,

前置き

NVENCをしたかったのでハードウェア「MSI GeForce GTX 1050 GAMING X 2G」とソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6(以下、TVMW6)」を揃えて漸く、GeForceによるNVENCエンコード環境を整えることができたのでいろんなパターンでエンコードしてみました。

A’s Video ConverterでNVENCを使ったH.265/HEVCエンコードテスト

 

ソース動画

エンコードは主に下記のEDIUS Pro8で作成したMP4(H.264/AVC)の動画を使っていますが、エンコード条件によっては異なるサイズや形式の動画も使用しています。

サイズ 1920 x 1080
形式 MP4 (H.264/AVC)
フレームレート 29.97p
ビットレート 5991 kbps (約6.0 Mbps)
ファイルサイズ 457 MB
時 間 10 分

動画内で使用している動画素材はMazwai.comからダウンロードしたものでCC BY 3.0 USのライセンス(クレジット、ライセンスへのリンク、改変内容の記述が必要)が付与された素材なので自由にダウンロードしてエンコード時間などを比較する時などに使ってもらっても構いません。ライセンス条項などはYouTubeの説明欄や動画内に記載しています。

ダウンロード (ZIP形式)

 

出力設定(共通)

基本的に容量を半分以下に減らすのが目的なのでビットレートを半分(3.0Mbps)にして出力テストしています。

ビットレート 3.0 Mbps
最大ビットレート 3.5 Mbps
レート調整モード VBR (平均ビットレート) VBV 無し
VBRの標準パス数 1 Pass

 

PC環境

CPUファンにはENERMAX ETS-T40-TBを使用していますがPWMファンが煩くて3pinファンに交換しているのと、本来はファンをフロント側に取り付けるのが一番冷却効果が得られるんですが自作メモリークーラーと干渉するのでリア側に取り付けているので冷却能力はだいぶ下がっています。補足情報としてエンコード時の室温は30度前後、オーバークロックは一切していません。

Tag : メモリクーラー

CPU Core i7 2600K
GPU MSI GeForce GTX 1050 GAMING X 2G
MB BIOSTAR TZ77XE4
Memory 16GB (8GB x 2枚)
PCスペック

 

消費電力の計測

消費電力の計測にはサンワサプライの「TAP-TST8」を使用し、アイドル時のPC全体の消費電力は60~70W前後を推移している感じです。

 

 

H.264/AVC(MP4)にエンコード

x264、QSV(Intel Media SKD Hardwear)、NVENCを使ってMP4(H.264/AVC)にエンコードしてみました。

 

x264(H.264/AVC)

ほとんど利用しないですが比較用としてソフトウェアエンコードをしてみました。設定値などの詳細は画像を見て下さい。

エンコード時間は10分7秒、エンコード中のPC全体の消費電力は135~145Wあたりを推移

CPU使用率はほぼ100%を推移

CPUコア温度は60°前後を推移
※コア温度の最大値はエンコードごとにリセット済

GPUはほとんどお休み中…zzz

 

QSV(H.264/AVC)

QSV(CPU)を使ったハードウェアエンコードです。Core i7 2600KではH.265/HEVC形式にエンコードできないんですがQSV(Intel HD Graphics 3000)を使ってMP4(H.264/AVC)にエンコードできるのでエンコードしてみました。

エンコード時間は3分49秒、PC全体の消費電力は110~120Wを推移

CPU使用率は30~50%台を推移

CPUコア温度は50°あたりを推移

GPUはZzz…

 

NVENC(H.264/AVC)

GPUのNVENC(ハードウェアエンコード)を使ったエンコード

エンコード時間は3分7秒、PC全体の消費電力は120~135Wを推移

CPU使用率は30~50%台を推移

CPUコア温度は53°前後を推移

GPU温度は3分ほどのエンコードでしたが55°前後まで上昇

 

 

H.265/HEVC(MP4)にエンコード

x265、NVENCを使ってMP4(H.265/HEVC)にエンコードしてみました。

 

x265(H.265/HEVC) 

x265(ソフトウェアエンコード)を使ったエンコード

エンコード時間は元動画の約3倍の29分22秒

CPU使用率はほぼ100%のフル稼働状態

CPUのコア温度は Max67°まで上昇、PC全体の消費電力は140W前後を推移

GPUはZzz…

 

NVENC(H.265/HEVC) ※ソース動画 1920 x 1080

NVENCを使ってMP4(H.265/HEVC)にエンコード

エンコード時間は元動画の1/3以下の3分5秒

グラフが大幅に変化しているところからエンコードを開始し、CPU使用率は40~50%の間を推移

CPUコア温度はMax53°、PC全体の消費電力は130Wほど

GPU温度が上がる切る前にエンコードが終わったのでそれほど温度が上昇せず。ただ、バッチツールに登録して連続エンコードを行うと60°台まで上昇

 

NVENC(H.265/HEVC) ※ソース動画 1280 x 720

エンコードに使用する素材動画を1280 x 720のものに変更して同じテストを行ったらエンコードは1分53秒と元動画の1/5の時間で終了

 

NVENC(H.265/HEVC) ※ソース動画 3840 x 2160

エンコードに使用する素材動画を3840 x 2160のものに変更して同テストを行ったらエンコード時間4分56秒と元動画の1/2ほど時間が掛かっていました。

1280 x 720(1分53秒)、1920 x 1080(3分5秒)、3840 x 2160(4分56秒)とソース動画のサイズを変更してエンコードしてみましたが、サイズが大きくなるにつれてエンコード時間も比例して長くなる傾向にあるようです。

 

NVENC(H.265/HEVC) ※1280 x 720へリサイズ

素材動画は1920 x 1080のままで1280 x 720へダウンスケール(リサイズ)してみたところ、エンコード時間は5分38秒(リサイズなし: 3分5秒)掛かりました。

 

NVENC(H.265/HEVC) ※フィルター追加

素材は1920 x 1080のままでフィルターの「色調補正」を以下のように設定してエンコード

エンコード時間はフィルターなしの3分5秒から約5倍にも増加して15分41秒も掛かりました。同じフィルター設定でx265(NVENC)だとフィルターなし(29分22秒)と比べても大差なくプラス1~2分程度の増加しかありませんでした。

 

 

その他のテスト結果と計測データのまとめ

 

H.264/AVC(MP4)形式で出力

 

エンコード ソースサイズ エンコード時間 CPU使用率(%) CPU/GPU温度(°) 消費電力(W)
x264 1920×1080 10分7秒 100%  60°/40° 135~145W
QSV 1920×1080 3分49秒 30~50%  50°/42° 110~120W
NVENC 1920×1080 3分7秒  30~50% 53°/55° 120~135W

 

H.265/HEVC(MP4)で出力 ※デフォルト設定

※フィルターやサイズなどの変更なしのデフォルト設定でのエンコード

 

エンコード ソースサイズ エンコード時間 CPU使用率 CPU/GPU温度 消費電力
x265 1920×1080 29分22秒 100% 67°/44° 140W
NVENC 同上 3分05秒 40~50% 53°/57° 130W
NVENC 1280×720 1分53秒
NVENC 3840×2160 4分56秒

 

H.265/HEVC(MP4)に出力 ※追加設定

出力はすべてH.265/HEVC(MP4)で1360×768は筆者のモニターの解像度でキャプチャサイズです。尚、一部ソース動画の長さが異なっています。

 

エンコード ソース情報 出力設定 エンコード時間
(ソース動画の長さ)
NVENC H.264
1920×1080
1280×720
ダウンスケール
5分38秒
(10分)
NVENC 同上 色調補正 15分41秒
(10分)
x265 同上 色調補正 30分 +2分
(10分)
NVENC H.264
1360×768 ※1
H.264 → H.265 13分32秒
(119分)
同上 M2TS
1920×1080 ※2
M2TS → H.265 4分21秒
(10分)
同上 M2TS
1440×1080
(地デジ)
M2TS → H.265 7分20秒
(38分)
同上 同上 M2TS → H.265
(カット編集 ※3)
7分47秒
(38分)
同上 同上 M2TS → H.265
(1360×768にリサイズ)
10分37秒
(38分)
同上 同上 M2TS → H.265
(クロップ、リサイズ ※4)
29分20秒
(38分)
同上 WMV
1920×1080
WMV → H.265 6分59秒
(10分)

同じM2TSの動画でもカット編集を加えただけでもエンコード時間が異なりますし、フィルターを2つ付加させるとエンコード時間が3倍に跳ね上がったりもします。更にフィルターを追加するとさらにエンコード時間が延びることが予想されます。動画素材の種類やサイズ、またフィルターによってかなりエンコード時間は異なってくることだけは分かりました。

x265で同じ設定だとエンコード時間がそもそも長いんですがエフェクトを追加したからと言ってエンコード時間が数倍に跳ね上がることはないようなのでNVENCはその辺の処理が苦手なのかも知れません。

※1 Bandicamでキャプチャした動画
※2 EDIUSで作成
※3 動画の前後10秒ほどをカット
※4 映像クロップで画面サイズが小さくなったのを元の1440×1080に戻す

 

画質比較

ビットレートを上げると画質が向上する代わりに容量が増加しますがその辺の兼ね合いは個人個人で異なるとは思いますし、画質に対する評価もそれこそ人によってかなり差があると思います。参考になるかどうか分かりませんが一応比較用の動画をアップしました。

ただ、ちゃんと比較できるようにエンコードした動画をサーバーにアップロードしようとしたんですがプレイヤーこそ表示されますが再生できないので諦めてYouTubeにアップロードすることにしました。よく分からないですが恐らくYouTubeでは変換処理が入ると思うのでオリジナルのものと多少異なるとは思います。尚、視聴する場合はどちらの動画も最高画質(1080p)で御覧下さい。

 

ビットレート 1/2 (6.0Mbps → 3.0Mbps)

筆者の主観ですが元動画のビットレートが6.0Mbpsのものなら半分の3.0Mbpsまで落として出力しても同等な画質に感じています。容量的は457MB → 223MBと約半分になっています。

 

ビットレート 1/12 (6.0Mbps → 0.5Mbps)

比較用としてビットレートを1/12まで落としてみました。ここまで落とすと流石にブロックノイズがだいぶ目立つようになりましたが、ただ視聴に堪えないレベルでもないと思います。容量には457MB → 52MBとなっていてビットレートと比例するような容量変化ではありませんでしたがそれでも1/9程度まで落ちています。

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