本物と思って買ったバッテリー「DMW-BLG10」が偽物だった!純正の判別方法

投稿日:2023/7/1 更新:2023/7/1 コメント 2件 カメラ , , , , ,


LUMIX DMC-TZ85の純正リチウムイオンバッテリー「DMW-BLG10」をとあるところで購入してみたんですがニセモノを掴まされたようです。

 

「DMW-BLG10」の外観の違いによる判別

純正のバッテリーはヨドバシ.comなどで6000円ぐらいで販売されているんですが、新品の海外パッケージ品が半値ぐらい売られていたので疑うことなく買ってしまいました。

箱はしっかりした感じのもので安っぽくないです。

海外パッケージ版なのにところどころ日本語表記があったりしておかしな点はあります。

多国語の取扱説明書が1枚入っていました。

開封したら外観が純正とまったく違うので一発でニセモノだなぁと思いました。

左のちょっとザラザラしたシールが貼られた方が純正バッテリーパック、右の外装に直接印刷されたものがニセモノ?のバッテリーパックです。並べてみると一目瞭然ですが記載されている内容はほぼ同じで販売ページに添付されていた画像も小さかったので気付きませんでした。今思うと商品名に「純正」という文字は一つもありませんでした。

純正には右下にちょっと凹んだ部分がありますがニセモノ?にはそれがありません。

そもそも海外パッケージなのに本体の表記が日本語というところもちょっとおかしいですよね。

丸型のPSEマークがついていますが自主検査で表記できるものみたいなので付いているから安心というものでもないようです。

裏面の画像は載ってなかったんですがこちらは怪しさ満載です。

正規品と同じ文言が記載されているんですがところどころ日本語のフォントがおかしいところがありますし、そもそも印刷もキレイじゃありません。「専用」の専の字もちょっとおかしいですし、「リサイクル協力店へ」の「り」なんかはカタカナなのにひらがなになっていたりします。

重さも純正は40gだったのに対し、ニセモノ?は36gと4gも軽かったです。

DMW-BLG10の純正品。

あとニセモノ?は真ん中付近を落とすちょっと凹んだんですが純正品にはそんなことは全くありませんでした。

まとめるとこんな感じです。

  • 文字がケースに直接に印刷されている
  • 真ん中を押すとちょっと凹む
  • 37gと純正より3g軽い
  • 印刷の質が悪い
  • フォントがおかしい ※「リ」と「り」の間違い

恐る恐るカメラにセットして使ったところ、発熱もなく普通に使えましたが怖いので缶に入れて保管しています。後日、純正品を購入したので廃棄する予定です。

 

 




使用時間による判別

AVCHD(画質設定:FHD/17M/60i)で撮影してどのくらい録画できるかテストしてみました。尚、EUへの関税の問題で30分で録画が止まるのでその度に録画ボタンを押しています。

DMC-TZ85は2008年8月に購入したものなのでもうすぐ5年になるんですが、その古い純正バッテリーをフル充電の状態で録画したところ合計で「1時間40分」録画できました。因みに新品の電池だとを約110分(1時間50分)間撮影可能なのでそれほど劣化していないようです。

バッテリー充電後の動画の撮影可能時間について

それに対して新品のバッテリーは「1時間17分」と古い純正バッテリよりも22分も短くしか録画できませんでしたし、仕様よりも33分も短かったです。

ここまでのテストで完全にニセモノであることは間違いないと思います。

 

 

抵抗値による判別

純正品にはNTCサーミスタと言われる温度センサーが入っており、そのセンサーは発熱すると抵抗値が下がる特性があるそうです。純正品には保護回路が入っており、その抵抗値を監視してバッテリーが異常発熱した際には充電を止めるような働きするそうです。その辺のことはたかTubeさんのリンク先の動画が参考になります。

カメラの互換バッテリーなんて大体こんなモンです

リチウムイオンバッテリーの端子には「-」、「D」、「T」、「+」がありますが、「-」と「+」は当然電圧ですが、ドライヤーやヒートガンでバッテリーを温めて「D」と「T」の抵抗値の変化が見ると少なくとも温度センサーが入っていることは確認できると思うのでやってみました。バッテリーを温める行為は宜しくないので真似しないで下さい。

室温30℃の環境でテスター(オーム電機 TDB-401)で純正バッテリーの抵抗値を計測したら「17MΩ」でした。

因みに電圧は「7.2V」と記載されていますがは「8.16V」ありました。

充電池とテスターの接続方法については下記の記事で紹介しています。

ヒートガン(FV310-81)は温度2、風量1にしてほんのりと温かい温風を当ててテストしました。

下記動画は純正バッテリーを温めた際の抵抗値の変化の様子を撮影したものなんですが、温めていくと抵抗値が下がっていくのが分かります。

 

偽物バッテリーも同じように計測しようとテスターをしたところ、抵抗値はまったく計測できませんでした。これが何を意味しているか分からないので分解してみました。

 

 




分解

カッターでやるとバッテリー本体(セル)に突き刺しそうで怖かったのでアクリルカッターで樹脂を少しずつこそぎ取ってやりました。

金属パーツが見えたのでここからニッパーに持ち替えて作業。

樹脂をはぎ取っている途中、2つあるセルとニッパーが短絡したみたいで一瞬小さな火花が出ました。

安易に分解したんですが筆者のように知識のない人はやらないほうがいいですね。以降の作業はもしものために火消スプレーを近くに置いて作業しました。

金属部分をマスキングテープで隠しつつ分解しました。

基板とバッテリーを切断。

8205E S2245

200BVJ

電子回路についてはまったくの無知なんですが、コーティングを剥がして道を辿ってみました。T端子とD端子はこちらが面にはつながっておらずスルーホールから裏に繋がっているようです。

赤丸で囲ったところがT端子とD端子にあったスルーホールなんですが、その先には一つだけ電子部品(抵抗?)がありましたがもう一方の道にはなにもなく、物理的にどこにも繋がっていませんでした。ひとつだけあった電子部品の抵抗値もまったく振れませんでしたし、だから抵抗値を測っても全く振れなかったんでしょうねぇ。

切断したバッテリーは短絡しないようにテープを巻いてスチール缶に入れ、更に密封袋に入れて保管しているんですが、可能なら廃棄したいです。

ただ調べたところ、モバイルバッテリのメーカーがJBRCに加盟していると量販店などに置かれている回収ボックスに廃棄できるそうですがニセモノだとここにも廃棄できないみたいなのでどうしたものか…(;´д`)トホホ…

【最新版】不要になったモバイルバッテリやポータブル電源、どうやって処分する?

ポータブル電源なんかは回収すらしてくれないこともあるようなので廃棄することも考えて商品選びをしないとあとで困りそうですね。

 

2 件のコメント

  • 大変参考になりました。カメラの互換バッテリーの廃棄についてはまずは使い切って放電させた後、たっぷりの塩水入り容器に入れるとブクブクと泡と濁りが出てくるので換気しつつ1~2日間完全放電させたあと分解して亜鉛フィルムと銅フィルムに分けて別々に保管すれば発火の恐れはなく廃棄できるそうです。

    • コメントありがとうございます。

      なるほど、そんな廃棄方法があったんですね。
      機会があったらやってみようかと思います。

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