【EDIUS】EDIUS X Pro アップデート ver. 10.30 ~Windows 11 正式サポート
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2021年12月7日、EDIUS X Pro Version 10.30.8244が公開され、Windows 11の正式サポートされました。また新機能もたくさん追加されているので気になるものをピックアップします。
EDIUSアップデート
- クリップの属性を他のクリップにコピーする機能を追加。
- タイムライン上のクリップにクリップマーカーを追加するショートカットキーを追加。
- タイムライン上にロードされたタイムラインシーケンスのオーディオ波形を表示する機能を追加。
- タイムラインにロードされたタイムラインシーケンス内のクリップマーカーとシーケンスマーカーを表示する機能を追加。
- Windows 11 をサポート。
- 可変フレームレートの MP4 ファイルをサポート。
- 通常再生にスキップフレーム再生機能を追加。
- H.265/HEVC Timecode SEI のタイムコードの読み取り及び書き込みに対応。※ハードウェアエンコードは未対応。
- H.264/AVC Picture Timing SEI へのタイムコードの書き込み機能を追加。※ハードウェアエンコードは未対応。
- インストールされている Blackmagic Design DeckLink ドライバーが必要なバージョンよりも古い場合にインストール中に警告を表示する機能を追加。
- XAVCのプロキシ編集中、Ch1とCh2だけでなく全てのオーディオチャンネルの読み込みをサポート。※Ch3 以降はプロキシ編集中は無音。
- エクスポーターに出力先ファイル名を自動設定する機能を追加。
- 異なるフォーマットの複数のファイルの一括ファイル変換をサポート。
- ウィンドウレイアウトを適用するためのショートカットキーを追加。
- インターレースの H265/HEVC ファイルのエクスポートをサポート。※NVIDIA社製のグラフィックボードを使用した出力には非対応
- プレイヤーウィンドウの「スライダの拡大」用のショートカットキーを追加。
- AJA T-TAP Pro によるプレビューをサポート。
- メモリー管理を改善。
- H.265/HEVC ソフトウェアエンコーダーが利用可能。
- Sony XDS シリーズ XDCAM ステーションから供給される収録中 MXF ファイルの編集が可能。※Workgroup のみ。
- 最新の P2 8K 422 フォーマット規格(v1.12)に準拠。
- Blackmagic RAW SDK を v2.2 に更新し以下の Blackmagic RAW クリップをサポート。
- プロパティダイアログ内の GPS データの書式を可読性向上の為に修正。
- プロパティダイアログに MOV クリップの GPS データを表示する機能を追加。
Myncアップデート
- 可変フレームレートのMP4ファイルをサポート
- H.265ソフトウェアエンコーダー
- MOVクリップのGPSデータ表示
- Windows 11 サポートなど
属性の貼り付け
個人的にイチ押しの新機能はこれですね。
この機能はクリップの属性をコピーして別のクリップに貼り付ける際に属性を選択できるようになりました。
属性とはクリップに適用されているレイアウター、フィルター(ビデオフィルター)、ミキサー(不透明度、キー、トランジション)、時間エフェクト(速度、タイムリマップ)、オーディオ(フィルター、ボリューム、パン)などのことを指します。
やり方はまずコピーしたい属性にあるクリップをコピーし、次に貼り付けたいクリップの右メニューの「属性の選択」、または「編集」メニューの「属性の貼り付け」→「属性の選択」などから設定画面を開くことができます。
またはボタンもあるのでよく使用する場合はタイムラインに追加しておくと作業効率が上がります。
サブメニューの機能は以下のような感じですが、ちゃんと理解していないと必要ない属性まで引き継がれることになるのでご注意を。
「属性のみ」・・・・・・すべての属性を貼り付けます。
「クリップと属性」・・・クリップとすべての属性を貼り付けます。
「選択済みの属性」・・・「属性の貼り付け」画面で「既定値として保存」で保存した既定値の属性を貼り付けられます。
※ キーフレーム、トランジション、フィルターの貼り付け方法は、選択したものに従います。
貼り付け方法「クリップに合わせて伸縮」
貼り付け方法に「維持」と「クリップに合わせて伸縮」というのがあります。
「維持(図:右上クリップ)」はトランジションの長さが変わらないのに対し、「クリップに合わせて伸縮(図:右下クリップ)」はクリップの長さに合わせてトランジョンの長さが変わります。
キーフレームの場合は、例えば3秒のクリップに先端から終端までキーフレームを設定しているようなクリップのキーフレームをあります。
この属性を6秒のクリップに貼り付けると比率に合わせてキーフレームが伸縮されて適用されます。
トランジョンだけコピーしたい
例えばトランジションだけコピーしたいとかの場合は下図のようにトランジションだけにチェックを入れ、貼り付け方法を選択してOKをクリックします。他の貼り付け方法は関係しませんがビデオフィルターの場合は「追加」か「置き換え」も選択できます。
毎回利用するなら「既定値として保存」のチェックを入れたままでもOKですが、一度しか使わない場合はチェックを外しておきます。
下図のように設定すればキーフレームは伸縮し、トランジョンは維持とかもできます。
置き換え機能が無くなった?
「置き換え」機能が無くなっていたので一瞬焦ったんですが、項目だけが無くなっているだけで機能は「貼り付け」のサブメニューに残っていました。
ただ、置き換えのボタンはなくなっているようです。
この機能の総評
通常、既存のキーフレームを別のクリップにコピーして尺に合わせて調整するには、今まではキーフレームをひとつひとつ手動で動かしてやるしかなかったんですが、実際にこれがちゃんと機能するのであればかなり使い勝手がよくなると思います。
ただ、ここまでできるならビデオフィルターの種類も個別で選択できるようになれば最高だったんですけど難しいでしょうかねぇ。
もし実装するれであれば、貼り付ける時に選択するのではなく、先にインフォメーションパレットでコピーしたいエフェクトを選択してから貼り付けるというやり方のほうがスマートで分かりやすいんじゃないかと思います。
あとマスクやトランスフォームを多用するのでエフェクトの名前を変えられるようにしてほしいですね。
スキップフレーム再生
プレビュー時のフレームを間引くことによって、リアルタイム再生のパフォーマンスを改善させることができます。カクカクした動きになりますが書き出しには影響ありません。因みにネスト先のタイムラインでもカクカクしたプレビューになってました。
似たような機能でドラフトプレビューがありますが、ドラフトプレビューは画質を落として負荷を下げるのに対し、スキップフレーム再生は画質はそのままでフレーム数を減らすのでその辺で違いで使い分けるのがいいんでしょうかねぇ。
タイムラインシーケンスのオーディオ波形表示
ネストシーケンスしたクリップにオーディオ波形が表示されるようになりました。
エクスポーターに出力先ファイル名を自動設定する機能を追加
書き出しファイル名にシーケンス名がデフォルトで表示されるようになりました。
Windows だと重複するファイル名があると自動的に「xxx – コピー(1)」とかになりますがそこまでの機能はありません。
タイムラインに配置したクリップにクリップマーカーを追加
個人的には使わない機能なので試してませんがこの機能を使うには事前にキーボードショートカットを割り当てておく必要があります。
ウィンドウレイアウトを適用するためのショートカットキーを追加
今までウィンドウレイアウトを変更するには「表示」→「ウィンドウレイアウト」→「レイアウトの適用」と結構深い階層にあるので変更するのが面倒でしたがショートカットキーに割り当てることができるようになりました。
この機能を使うには事前にキーボードショートカットでキーの割り当てをしておく必要があります。
キーの割り当ては「設定」→「ユーザー設定」→「ユーザーインターフェース」→「キーボードショートカット」で行います。「絞込」機能を利用すると見やすくとわかりやすいです。
「動作」から割り当てたいナンバーを選択して「キー割当」をクリックするとキーボードが出てくるので割り当てます。
黄色がすでに割り当てられているキーなので白い未使用のボタンに割り当てるか、灰色のShiftキーなどと組み合わて割り当てます。
テンキーの「Num 1」と「Num 2」を割り当ててみましたが一瞬で画面レイアウトが変更出来てこれは地味に便利です。編集内容によってウィンドウレイアウトを変えることはよくある方には絶対におススメです。
既知の不具合
リリースノートの最後のほうに記載されていますがインテル最新の第12世代CPUではH.264とH.265のクリップをプレビューすると映像が出なかったりフリーズが多発します。また、第11世代CPUとNvidia製グラボと一緒に使うと同様の不具合があるのでご注意を。
6 件のコメント
厚揚こうたさん
いつも情報共有ありがとうございます。
ブログ、youtubeともに参考にしております。
質問なのですが、Windows11にしてエディウスも10.30verと最新のものにしているのですが、最近なんとも無いiPhoneやドローンで撮影をしたMP4素材が固まったというかプレビュー再生だけでもかなり遅く、モニター解像度を「full」→「1/4」にしてなんとか再生されるようになりました。タスクマネージャーを開くと素材をシーケンスに載せただけでもCPUは100%を推移してて、再生がうまくされません。
レンダリングも遅いです。
今まではこんな症状はなかったのですが、Windowsのアップデートが原因なのか、EDIUSが原因なのか不明で、パソコンのサポートにも問い合わせてグラボをアンインストールして再起動をかけたり、CPUに負荷をかけないようにバックグラウンドで稼働するアプリを無効にしたりしてますが改善されません。
改善策などもし知っていたらご教示ください。
よろしくお願いします。
コメント有難うございます。
話を聞いただけだとパソコンの処理能力が足らない感じに見えますが、
症状が出るまでは同じMP4素材でも問題なかったんですよね。
リンク先の記事に該当するPC環境ならまずそれらの対策を施してみて下さい。
▼MP4クリップが真っ暗になったり、 頻繁にフリーズする 第12世代CPU
https://edit-anything.com/edius/mp4-clip-trouble.html
▼EDIUS X リリースノート Ver.10.30b8291
https://pro.grassvalley.jp/download/readme/EDIUS%2010.30.8291%20Release%20Notes-JP.pdf
▼第11世代IntelプロセッサとNVIDIA GPU でEDIUSの動作が不安定になる
https://www.ediusworld.com/jp/support/faq/4715.html
EDIUS X Ver.10.30b8291以降ぐらいからGPUやCPU絡みのトラブルを抱えているので
旧バージョンに戻してみるのも効果があるかも知りません。
EDIUS X では旧バージョンの配布をやらなくなったので
アップデート後も保存しておくことをお勧めします。
それでも直らない場合は特定のプロジェクト、またはPCに問題があるのか、
それともMP4素材に問題があるのかを切り分ける必要があります。
1.特定のプロジェクトだけで起こっているのか?
2.MP4素材に問題があるのか?
3.別のPCで動作確認する
別のPCでテストできないような場合は
素材ファイルを提供して戴けるのであれば
動作確認くらいは協力できます。
提供して戴いた情報でアドバイスできるのはこんなところです。
「属性の貼り付け」の機能について調べたく
本家オンラインヘルプより先に「edius…?」を
拝見しにきましたw(さすが、わかりやすいです!)
大変便利な機能ですね。マルチカム撮影で色合わせ(変更)するときに
プライマリーカラーコレクションと3WAYカラーコレクションだけを
変更したい時があり、本機能に関心を持ちました。
あとは個人的にこの種の機能に追加で
「属性の削除」があれば最強ですね。
指定したフィルターの適用を外すやつ。
1時間超えで数百クリップに分割したクリップを
ちまちまハズすのはさすがに骨が折れます(´;ω;`)ウゥゥ
ちなみに SHIFT+CTRL+ALT+F で
全エフェクトの削除は知ったのですが、
全部は消したくなかったりするんですよね💦
>「属性の削除」あれば最強ですね。
そうですよね。
ただこのままだと中途半端なので
エフェクトに自由に名前を付けられるのも便利そうなんですが、
例えば、同じエフェク名でも設定が異なるものには
異なるIDとかを付加させておけば、
エフェクト名が同じでもIDで識別できるので
かなり自由度が増していいと思うんですけどねぇ。
>1時間超えで数百クリップに分割したクリップを
>ちまちまハズすのはさすがに骨が折れます(´;ω;`)ウゥゥ
エフェクトパレットの並びが同じ構成の場合は
削除したいエフェクトを削除してプリセット化し、
すべてのエフェクトを一括削除してプリセットを適用するという
手法はシーンによっては使えるかも知れませんね。
>例えば、同じエフェク名でも設定が異なるものには
>異なるIDとかを付加させておけば、
>エフェクト名が同じでもIDで識別できるので
>かなり自由度が増していいと思うんですけどねぇ。
たしかに。
3WAYカラーコレクションなんか変えたい色ごとに
エフェクトを掛けるので、ID化(もしくはエフェクト名が変更)
できると便利だと思いました。
いろいろ不満もありますが、
neo3.05→6→9→Xと使ってきて
身に染みついた操作性と機敏さ。
なかなか他のNLEに乗り換えられないでいますw
基本性能、信頼性は文句なしなので
更なる進化、便利な機能を積んで欲しいところです。
・マルチカムモードでトランジション系も反映できるとか。
・マルチカムの色合わせ(マッチカラー)とか。
使えば使うほど要望が出てきますw
新機能とかよりも
マスクでシェイプをセンターなどに配置する配置ボタンとか、
AEのコンポジションのように特定のクリップをネストシーケンスしたら
シーケンスクリップに自動で置き換えてくれるとか、
マスクなどのエフェクト画面でもショートカットキーを設定できるか、
まだまだ改善して欲しいところはたくさんありますが、
そのような細かいところに手を加えてくれるだけも
手数が減ってかなり便利なるんですけどねぇ。
EDIUSの何がいいかと言われるとやっぱり、
一番は思ったことが表現できているところでしょうねぇ。
完全にマニュアル車なので経験が必要ですが、
そんなところも好きなのかもしれませんw。