拡大鏡のつくり方2

拡大鏡(映像の特定のポイントを拡大)の作り方は以前(EDIUS Neo 3.5を利用)で「拡大鏡を作ろう」でも解説しましたが、今回はトランスフォーム(ビデオフィルター)を使った方法とモーショントラッキング(EDIUSX使用)で被写体を枠内に固定しつつ拡大する方法を紹介します。

 

拡大鏡1 (2クリップで作成)

この方法では拡大鏡は拡大する映像と元の映像が必要になるので同じ映像クリップを2トラックの同じ時間軸に配置し、上のクリップにマスクを適用しておきます。

拡大鏡のつくり方2

オーソドックスな拡大鏡
一番オーソドックスなやり方としては、上のトラックにあるクリップをレイアウターなどで拡大してマスクを枠を作ってれば拡大鏡はできます。この時のポイントはインフォメーションでレイアウターの下にマスクを配置することです。手間的にはこの章でのやり方とそれほど変わらないのでどっちでやっても構わないんですがこんなやり方もあると理解しているだけでも知識の幅が広がると思います。

まず、マスクで拡大したいポイントを適当な形状のシェイプ(矩形作成、楕円作成、パス作成)で囲み、外側の不透明度を0%、エッジカラーを有効にして幅を設定します。この幅が拡大鏡の枠線になります。

拡大鏡のつくり方2

内側フィルターにチェックを入れて漏斗のようなアイコン(フィルタ選択)から「トランスフォーム」を適用します。ここで指定したフィルターがマスクの領域内に適用されます。

拡大鏡のつくり方2

三本線のアイコン(フィルタ設定)をクリックするとトランスフォームの設定画面が開くのでストレッチを拡大したい値まで設定するんですが、このままやるとマスクとトランスフォームのアンカーが異なるので被写体が枠の中心から外れていることが分かると思います。

拡大鏡のつくり方2

アンカーはCtrlボタンを押しながらドラッグすると移動できるのでアンカーの位置を枠の中心付近に移動させます。

拡大鏡のつくり方2

OKボタンを押してマスクの画面に戻り、被写体が枠のセンターに位置していればOKです。

拡大鏡のつくり方2

枠の位置を変えたい場合は、新規トランスフォームを追加してそちらで調整します。

拡大鏡のつくり方2

この時のポイントはトランスフォームのインフォメーションパレットでの並び順がマスクより下に配置することです。インフォメーションパレットでは上に位置するエフェクトから順に処理されていくので逆にすると枠の位置を変更できません。

下図のように拡大しているポイントをより分かりやすいように線をつけることもできます。

拡大鏡のつくり方2

インフォメーションでトランスフォームの上に新規マスクを追加してそちらで図形を作成します。この時、エッジのサイドを内側にして内部を塗り潰します。

拡大鏡のつくり方2

 

 

拡大鏡2(1クリップで作成)

こちらの方法では1つのクリップだけでできます。

拡大鏡のつくり方2

まずマスクで表示させたい位置に枠を作ります。尚、下図は分かりやすいように外側の不透明度を上げているだけで実際には0%です。

拡大鏡のつくり方2

続いて内側フィルターにトランスフォームを適用し、設定を開いて枠内の表示させたい映像を配置&拡大します。

拡大鏡のつくり方2

これで1クリップだけでメイン映像とその拡大画像を表示させることができます。

 

 

被写体をトラッキングして拡大

被写体をトラッキングして拡大鏡の枠内に収めることもできます。

トラッキングとはマスクの選択範囲を追尾する機能で分かりやすい例でいえばナンバープレートや人の顔にモザイクを掛けてそれを動きに合わせて追従したりできます。

ただ、マスクのトラッキングは内側フィルターが処理される前の映像を参照して行われるようなのでトランスフォームで拡大してもトランスフォームとマスクのアンカーの位置が異なるので見切れたりして調整がちょっと難しいです。

なのでトラッキングする場合は、トランスフォーム(レイアウターでも可)で拡大しておいてからマスク(トランスフォームの下にあることが重要)を適用すると既に拡大された映像をマスクでトラッキングするので枠から外れにくくなります。

拡大鏡のつくり方2

しかし、この方法でも枠自体は動きますし、枠がマスクのプレビュー画面の外に出てしまうと切れてしまうことがあります。

拡大鏡のつくり方2

その点、EDIUS X のトランスフォーム(レイアウターでも可)の固定モードでトラッキングすると下図のような動画も作れます。拡大鏡1&2いずれの方法でもできますが、マスク内のトランスフォームでトラッキングする際にトラッキングしてから位置やストレッチを調整して下さい。(チュン太がジャンプするシーンがちょっとガタついて見えますね)

 

YouTubeショートカット
一時停止中にコンマ(,)を押すと1コマ戻り、ピリオド(.)を押すと1コマ進む

マスクを適用するクリップのレイアウター(トランスフォームでも可)を開き、被写体のアップにしたい部分を選択(トラッキング領域)して固定モード(デフォルト)でトラッキングし、最後に被写体を拡大します。因みにトラッキングは「位置」のみを有効にしています。

拡大鏡のつくり方2

トラッキング精度は被写体と背景とのコントラストにもよると思いますが、トラッキング領域のサイズによってもかなり変わります。

拡大鏡のつくり方2

マスクを追加してセンター付近に枠を設定します。

拡大鏡のつくり方2

あとはトランスフォームを追加して枠の位置を調整して出来上がりです。尚、EDIUSXでトラッキングしたプロジェクトを9などの古いバージョンで上書き保存するとトラッキングテータが消えるのでご注意ください。

素材動画(Pixabay)

 


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