【Core i9-12900K】#4 ベンチ計測編 自作PC [CINEBENCH,TVMW7]
投稿日:2021/12/16 更新:2022/5/27 コメント 0件 自作パソコン Alder Lake, CINEBENCH R15, CINEBENCH R20, CINEBENCH R23, Core i9-12900K, CPU, LED, lga1700, MPG Z690 EDGE WIFI DDR4, msi, TVMW7, Z690, ベンチ, マザーボード, 反り, 曲がり, 第12世代, 自作PCAlder Lake-Sこと第12世代Core プロセッサーの最上位モデル「Intel Corei9-12900K」を購入して新しいメインPCを組みました。
このCPUのベンチ結果はたくさん情報が出ていますが自分のものがちゃんと性能が出てるか、またcore i9-9900Kからどのくらい性能が上がったなどを確認しておく必要があるのでCINEBENCH(R15,R20,R23)、TMPGEnc Video Mastering Works 7(TVMW7)、EDIUSなどでエンコード時間や発熱具合がどんな感じなのか調べてみました。
比較対象にしているデータは計測環境も異なりますし、TVMW7の場合は比較データがソフトウェアのバージョンが異なるTVMW6だったりするので単純に比較できないので参考程度にご覧ください。
目次
計測環境
以下のPC環境で室温12~15℃(※計測日時が異なる)の環境下で計測しました。
PCパーツ | 型番 |
---|---|
CPU | Intel Core i9-12900K ※16コア24スレッド 定格 |
マザーボード | MSI MPG Z690 EDGE WIFI DDR4 (BIOS Ver.E7D31MS.100) |
メモリ | DDR4 32GB(16GB x 2枚) Corsair CMG32GX4M2E3200C16 ※XMP適用(3200MHz) |
M.2 SSD(NVMe) | Plextor PX-512M10PGN ※ 読込速度 約7000MB/s |
CPUクーラー(簡易水冷) | NZXT KRAKEN X73 ※静音設定 |
電源 | Seasonic SSR-750FX |
ケース | Thermaltake A500 TG |
HDD1 | WD60EZRZ |
HDD2 | WD30EZRZ |
OS | Windows 11 Pro (21H2) |
MSI MPG Z690 EDGE WIFI DDR4の電力関係の設定はデフォルト値で下記のようになっていたのでマザーのデフォルト設定と電力制限を掛けた状態でテストしました。
BIOSでの電力関係の設定 | デフォルト値 | 電力制限 |
---|---|---|
Long Duration Power Limit(W) ※長期間電力制限(PL1) | 自動 (4096W) | 125W |
Short Duration Power(W) ※短期間電力制限(PL2) | 自動 (4096W) | 241W |
Long Duration Maintained(s) ※長期間維持(Tau) | 自動 (56s) | 56s |
余談ですがBIOSを日本語表記にしている時に「自動」に戻す場合は「auto」と入力するとできます。
各項目の詳細については下記URLの記事に記載しているのでそちらを参照して下さい。
TVMW7やEDIUSでエンコードに利用した動画素材は以下のような感じです。
サイズ | 1920 x 1080 |
形式 | MP4 (H.264/AVC) |
フレームレート | 29.97p |
ビットレート | 5991 kbps (約6.0 Mbps) |
ファイルサイズ | 457 MB |
時 間 | 10 分 |
CINEBENCH R15
CINEBENCH R15の結果は「3763 cb」でした。
core i9-9900Kで電力制限せずにやった時には「2043(電力制限あり:1712)」だったのでもう少しで倍という感じです。
CPU単体の消費電力が約221W、ワットチェッカー(TAP-TST8)によるシステム全体の消費電力はMAXで315Wになっていました。
また、コア(パッケージ)の最高温度は77℃、温度はPコア(#0-#7)よりEコア(#8-#15)のほうが10℃ほど低い値になっていました。
タスクマネージャを見るとPコア(左上から数えて16個目まで)とEコア(Pコア以降の8個)が均等に仕事しているようです。
電力制限をPL1:125W,PL2:241WにしてCINEBENCHを計測してみたんですが、消費電力が241Wを超えない状況でしかもTauの56秒を超える前にテストが終了するので微妙な差しかでませんでした。
マルチコア性能 | コア温度(℃) | 消費電力(W) | |
---|---|---|---|
CINEBENCH R15 | 3763 | 77 | 221 |
CINEBENCH R15 ※電力制限あり | 3755 | 78 | 222 |
CINEBENCH R20
CINEBENCH R15の結果は「10131 pts」でした。
core i9-9900Kは電力制限なしで「4728」、アリで「3988」だったので倍以上の値になっています。
CPU単体の消費電力が約261W、ワットチェッカー(TAP-TST8)によるシステム全体の消費電力はMAXで360Wを超えていました。
また、コアの最高温度は90℃を示し、KRAKEN X73のファンがちょっと唸りを上げていました。
タスクマネージャの様子。
マルチコア性能 | コア温度(℃) | 消費電力(W) | |
---|---|---|---|
CINEBENCH R20 | 10131 | 90 | 261 |
CINEBENCH R20 ※電力制限あり | 10049 | 90 | 241 |
CINEBENCH R23
シングル性能
CPU (Single Core)のテスト結果は「1931 pts」となり、おおむね他のベンチテストと同じような結果になっていました。尚、core i9-9900KでR23のテストはしていなかったみたいで比較データがありません。
CPUのパッケージ温度は MAX 53 ℃ でした。
計測時のタスクマネージャー(パフォーマンスタブ)です。稼働していないコアにカーソルを合わせると「保留」という文字が表示されていました。
CPU (Multi Core) 性能
マルチコア性能は「26769 pts」でした。
コア温度はMAXで 93℃ まで上昇。
CPU単体の消費電飾はこれまでベンチ中で最高の 267W 、システム全体でも 370W ほど。あとうるさいのでもうやりませんが10分の奴も一度走らせてみましたが完走しました。
core i9-9900Kのほうが電力制限を掛けないととても使えないほどじゃじゃ馬な感じだったのでこれなら夏場以外は電力制限を掛けずに常用できそうです。
すべてのコアがすべて使われています。
241Wを超えていたものが電力制限が効き、それに伴いベンチ結果も下がっていますがマルチコア性能については誤差程度の違いしかありませんでした。
シングル性能 | マルチコア性能 | コア温度(℃) | 消費電力(W) | |
---|---|---|---|---|
CINEBENCH R23 | 1931 | 26769 | 93 | 267 |
CINEBENCH R23 ※電力制限あり | 1792 | 26107 | 87 | 241 |
TVMW7 x264 (H.264/AVC)
TMPGEnc Video Mastering Works 7(TVMW7)でx264のソフトウェアエンコードでH.264/AVCにエンコードしてみました。
素材動画のファイル形式は下記のような感じで以降のTVMW7のテストには同ファイルを使用してテストしています。
サイズ | 1920 x 1080 |
形式 | MP4 (H.264/AVC) |
フレームレート | 29.97p |
ビットレート | 5991 kbps (約6.0 Mbps) |
ファイルサイズ | 457 MB |
時 間 | 10 分 |
書き出し設定は以下のような感じです。
TVMW7 x264 (H.264/AVC) ※電力制限なし
TMPGEnc Video Mastering Works 6(TVMW6)とcore i9-9900Kでは4分26秒だったのが2分ほど速くなって2分27秒で完了しました。
NZXT KRAKEN X73だとMAX75℃くらいまでに抑えてくれています。
各コアやオンボードグラフィックスの働き具合は下図のような感じですべてのコアを使い切っています。
TVMW7 x264 (H.264/AVC) ※電力制限あり
2分27秒と制限を掛けても掛けてない時と変わらないで値でした。
Max値が電力制限が掛かる前、Valueの値が電力制限が掛かった後の値になります。
TVMW7 QSV (H.264/AVC)
TVMW7で「Intel MediaSDK Hardware(QSV)」のハードウェアエンコードを利用してH.264/AVCにエンコードしてみました。書き出し設定は以下のような感じです。
TVMW7 QSV (H.264/AVC) ※電力制限なし
エンコード時間は1分59秒でした。
ソフトウェアエンコードの2分27秒よりは流石に速いんですがそれほど大きな差がありませんでした。ソフトウェアエンコードがQSVエンコードの処理速度に迫るという感じなんでしょうかねぇ。
コア温度は最高55℃、CPU単体の消費電力は最高110Wを示していました。電力制限(125W)が掛かるほどCPUの消費電力は上がっていまのせん。
CPU使用率が大幅に下がり、その代わりにIntel UHD Graphics 770の使用率が50%ほど上昇。
TVMW7 QSV (H.264/AVC) ※電力制限あり
2分1秒とほとんど変化ありませんでした。
コア温度は最高53℃、CPU単体の消費電力は最高105Wを示していました。こちらも電力制限(125W)が掛かるほどCPUの消費電力は上がっていないので誤差程度の差しか出ないと思います。
コアの使われ方も電力制限なしとほとんど変化なしです。
TVMW7 x265 (H.265/HEVC)
TVMW7でx265のソフトウェアエンコードでH.265/HEVCにエンコードしてみました。書き出し設定は以下のような感じです。
TVMW7 x265 (H.265/HEVC) ※電力制限なし
前回のcore i9-9900Kでの検証結果は、KABUTO(SCKBT-1000)というひ弱にCPUクーラーを使ったためにコア温度が111℃まで上がったので途中(2分15秒)で止めたんですが、残り時間から算出してエンコード時間は「約8分04秒(※推測値)」といったところでしたが、Core i9-12900Kでは推測値より3分ほど速い5分3秒となっていました。
コア温度は最高88℃、CPU単体の消費電力は最高231Wを示していました。消費電力はほとんどが200Wを超えているような状態でした。
TVMW7 x265 (H.265/HEVC) ※電力制限あり
エンコード時間は5分26秒でした。
制限なしの時よりも23秒ほど長く掛かりましたが、それでもその程度の差となると静音性が格段にいいですし、消費電力も半分くらい違うのでこれで運用するのが個人的にベストチョイスかも知れません。
1分過ぎまでフルパワー(216W)で回り、コア温度も81℃まで上昇しましたが、56秒(Tau)を超えて電力制限が掛かるようになると125W付近で落ち着いてコア温度も55度前後をウロウロしていました。実際にTauに制限に掛かりだしたのは1分15秒ほどしてからでした。
TVMW7 QSV (H.265/HEVC)
TVMW7で「Intel MediaSDK Hardware(QSV)」のハードウェアエンコードを利用してH.265/HEVCにエンコードしてみました。
書き出し設定は以下のような感じです。
TVMW7 QSV (H.265/HEVC) ※電力制限なし
エンコード時間は2分18秒でした。
コア温度は最高57℃、CPU単体の消費電力は最高111Wを示していました。
各コアやオンボードグラフィックスの働き具合は下図のような感じです。H.264のQSVではGPU0(オンボードグラフィックス)の使用率は50%ほどだったんですが、H.265の場合はほぼフルに使用されている感じした。
TVMW7 QSV (H.265/HEVC) ※電力制限あり
このテストだけ室温が-3℃ほど異なる環境で再テストしています。
エンコード時間は2分23秒でした。
コア温度は最高44℃、CPU単体の消費電力は最高94Wを示していました。H265のテストでは電力制限を掛けると電力制限なし(57℃)より大幅にコア温度が下がっていました。
各コアやオンボードグラフィックスの働き具合は下図のような感じです。
EDIUS
EDIUSに関するテストは、別のページにまとめて公開しています。
計測結果まとめ
CINEBENCH 各バージョン計測結果まとめ
CINEBENCH 各バージョン計測結果のまとめです。
カッコ内の数字はcore i9-9900Kのベンチ結果です。また一番下の「最大プロセッサ99%」は、電源オプションのプロセッサの電源管理で最大のプロセッサの状態を99%にして計測したものてず。
シングル性能 | マルチコア性能 | コア温度(℃) | 消費電力(W) | |
---|---|---|---|---|
CINEBENCH R15 | – | 3763(2043) | 77 | 221 |
CINEBENCH R15 ※電力制限あり | – | 3755(1712) | 79 | 222 |
CINEBENCH R20 | – | 10131(4728) | 90 | 261 |
CINEBENCH R20 ※電力制限あり | – | 10049(3988) | 90 | 241 |
CINEBENCH R23 | 1931 | 26769(データなし) | 93 | 267 |
CINEBENCH R23 ※電力制限あり | 1792 | 26107(データなし) | 87 | 241 |
CINEBENCH R23 ※電力制限あり、最大プロセッサ99% | 1854 | 25444(データなし) | 86 | 242 |
H.264/AVC 計測結果まとめ
H.264/AVC 出力 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
エンコード | PC | 時間 (m:s) |
CPU温度 (℃) |
|||
x264 | Core i7-2600K | 10:07 | 62 | |||
core i9-9900K | 4:26 | 105 | ||||
Core i9 12900K ※電力制限なし | 2:27 | 82 | ||||
Core i9 12900K ※電力制限あり | 2:27 | 80 | ||||
QSV | Core i7-2600K | 3:49 | 50 | |||
core i9-9900K | 3:34 | 63 | ||||
Core i9 12900K ※電力制限なし | 1:59 | 55 | ||||
Core i9 12900K ※電力制限あり | 2:01 | 60 |
H.265/HEVC 出力結果まとめ
H.265/HEVC 出力 | ||||
---|---|---|---|---|
エンコード | PC | 時間 (m:s) |
CPU温度 (℃) |
|
x265 | ||||
core i9-9900K | 8:04 | 111 | ||
Core i9 12900K ※電力制限なし | 5:06 | 88 | ||
Core i9 12900K ※電力制限あり | 5:29 | 90 | ||
QSV | ||||
core i9-9900K | 3:48 | 65 | ||
Core i9 12900K ※電力制限なし | 2:18 | 61 | ||
Core i9 12900K ※電力制限あり | 2:23 | 44 |