「Grass Valley HQX」と「Grass Valley HQ 」の設定項目と違いについて
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EDIUSでAVI形式でのエクスポートプリセットに「Grass Valley HQX」などに「Grass Valley HQX 最高画質」や「Grass Valley 標準」とかありますがどの程度のビットレートで書き出ししているのか調べてみました。「アルファ付き」とあるのはアルファチャンネル(透過情報)を保持できるものです。
尚、画質の違いについては最低画質(オフライン)のもの以外はさほど違いを感じなかったので検証してませんし、あとエンコード時間も一応調べてみましたが元動画が3分と短いので尺が長いものだとそれなりに差が出ると思います。
素材動画やPC環境などの色々な条件で結果は異なる恐れがあるので参考程度にご覧ください。
Grass Valley HQX & HQ CODEC 設定項目について
「Grass Valley HQX CODEC設定」には「オンライン(最高画質)・オンライン(高画質)・オンライン(標準)・オフライン・カスタム」の5種類の項目があり、上から4つまではエクスポータープリセットにあるものと同じになるのでどれを選んでもここで変更すれば同じになるようです。
設定項目の詳細は以下の通りですが、Q(QualityのQ?)が画質、M(MbpsのM?)がビットレートという認識でいいんじゃないでしょうかねぇ。
Q 「Q」の値は、 画質の圧縮率、つまり画質を設定する項目です。 HQXの場合には、0から18まで設定できます。 値を小さくすれば圧縮を抑えることができるので画質が向上しますが、 その反面データサイズが大きくなります。 HQX : 0 ~ 18 まで設定可能 HQ : 4 ~ 19 まで設定可能 M 「M(上限)」の値は、 ビットレート(Mbps)の調節に似た設定を行えるもので、 容量の上限を設定することができます。 「最大」にすると非圧縮映像と無制限で変換を行うことができ、 「最小」に近づけるほどデータ量を抑えた動画になります。 HQX : 4 ~ 100 まで設定可能 HQX : 0 ~ 100 まで設定可能
「既定値として保存」は「ファイルへ出力」画面で赤枠のエクスポーター(※プリセットはこのエクスポーターをベースに作成されている)を選択した時の既定値となるものです。ただ、EDIUS 8 & 9 でのタイムラインレンダリングの画質にも影響します。
「Grass Valley HQ CODEC設定」の場合は「オンライン(最高画質)」の選択できなくなっているようです。
「Grass Valley HQX CODEC設定」
検証はEDIUS Pro 9を使い、4K60pの3分の動画を「1920 x 1080 59.94p」のプロジェクトに取り込んで書き出しています。尚、可変ビットレート(VBR)なので動きの激しい動画とそうじゃない動画とではビットレートはだいぶ変わると思います。
検証結果です。
Q (画質) |
M (ビットレート) |
容量 (GB) |
ビットレート (Mbps) |
書出時間 | |
---|---|---|---|---|---|
HQX オンライン(最高画質) | 0 | 50 | 12.9 | 610.0 | 2:13 |
HQX オンライン(高画質) | 4 | 40 | 4.76 | 223.8 | 2:06 |
HQX オンライン(標準) | 5 | 30 | 3.59 | 168.3 | 2:03 |
HQX オフライン | 18 | 4 | 1.08 | 49.6 | 2:05 |
「カスタム」では「Q」の値を「0 ~ 18」、「上限」の値を「4 ~ 100」の間で弄れるので最高画質よりさらにいい画質にできるかやってみましたが、結果は容量、ビットレート共に全く同じでした。
Q (画質) |
M (ビットレート) |
容量 (GB) |
ビットレート (Mbps) |
書出時間 | |
---|---|---|---|---|---|
HQX カスタム | 0 | 100 | 12.9 GB | 610.0 Mbps | 2:12 |
HQX オンライン(最高画質) | 0 | 50 | 12.9 GB | 610.0 Mbps | 2:06 |
下図は「Q」の値がどれだけ容量やビットレートに変化するかを上限値を固定して調べたものです。
Q (画質) |
M (ビットレート) |
容量 (GB) |
ビットレート (Mbps) |
書出時間 | |
---|---|---|---|---|---|
HQX カスタム | 0 | 4 | 2.13 GB | 99.5 Mbps | 2:06 |
HQX カスタム(※オフラインと同じ) | 18 | 4 | 1.08 GB | 49.6 Mbps | 2:06 |
「Grass Valley HQ CODEC設定」
「Grass Valley HQ」でも検証してみました。
こちらの方がビットレートが低いと思っていたんですが、同名の書き出し設定だとHQXよりもHQの方がビットレートが高くなっていました。
Q (画質) |
M (ビットレート) |
容量 (GB) |
ビットレート (Mbps) |
|
---|---|---|---|---|
HQ オンライン(最高画質) ※選択できない | ||||
HQ オンライン(高画質) | 4 | 40 | 7.28 GB | 342.8 Mbps |
HQ オンライン(標準) | 5 | 30 | 4.75 GB | 223.4 Mbps |
HQ オフライン | 19 | 4 | 1.32 GB | 61.2 Mbps |
「Grass Valley HQX」と「Grass Valley HQ」の違い
「Grass Valley HQX」と「Grass Valley HQ」の違いは以下のような感じです。
Grass Valley HQ | Grass Valley HQX | |
---|---|---|
解像度 | 1920×1080 | 4096×2160 |
ビットレート | 可変ビットレート(VBR) | 可変ビットレート(VBR) |
ビデオ量子化ビット数 | 8ビット | 10ビット |
アルファチャネル | 対応 | 対応 |
Q(画質) | 4 ~ 19 | 0 ~ 18 |
M(容量) | 0 ~ 100 | 4 ~ 100 |
まとめ
やはり「上限」の値が減ると書き出されたファイル容量も減少しますが、「Q」の値も容量やビットレートに影響していました。「オフライン」が最低の設定値になるのでそれ以下の容量に下げることはできません。
「オフライン」でもビットレートが 約 50 Mbps もあったのでAVIの容量がデカいのも納得なんですが、流石にオフラインの画質は人に見せれないレベルなのでなるべく容量を小さくして画質を上げるには「オフライン」と「オンライン(標準)」の間で妥協点を見出すしかないでしょうねぇ。
▼参考文献
Grass Valley Codec Option 動作検証